総合学習指導案
平成12年5月22日(水)第2校時 コンピュータ室
第3学年A組 指導者 篠崎 聡
男子14名 女子15名 山口 智
戸塚 美智子
T 単元 調べるためのインターネットの活用と情報モラル
U 単元の考察
1 生徒の実態
近年、総合的な学習を進めるにあたって、情報を得る手段としてインターネットによる学習法が脚光を浴びてきた。リアルタイムの情報は新鮮であり、かつ生きているといえる。本校でも、このように、学校にいながらにして生きた情報を得る手段を積極的に活用したいと考えている。生徒もコンピュータの利用には大きな期待を抱いている。
しかし反面、インターネット使用にあたっては数々の問題点があり、有効な活用に至るまでには地道な支援体制とモラルの指導は必要であると考えられる。本時に先立って、コンピュータとインターネットに関するアンケートを実施した。〔5月 8日:3学年、55名/58名〕
左の結果からわかるように、各家庭において半数以上のコンピュータ保有率であり、さらに、インターネットにおいてはすでに10家庭が接続している。また、活用の経験を質問した結果(詳細は指導案最後に示す)においても右のグラフにあるように、多くの生徒が日常の場面で使用していることがわかる。したがって、私たちが予想している以上に情報環境が進んでいるといえる。そうした場合、「学校では何を学んだらよいのか」再度考えておく必要がある。
さらに、学校でどのように使いたいか生徒の興味を探った結果は、左図のようである。総合的に興味は高いものを示し、インターネット・ゲーム・メールの活用を希望する生徒が多く、比較的地道な作業を伴うコンピュータの醍醐味ともいえる活動については、興味が低い傾向が見られるが、まだ、その効果について経験をしていないためであると考えられる。
総合的な学習においては、こうしたコンピュータの活用については、生きた情報を得たり、情報をまとめたりする際の道具として活用していきたいと考えている。生徒も教師も初めての体験であるが、技術・家庭科との関連において、計画的にその利用を考える必要があろう。本時においては、インターネット検索における光と陰の部分について深められる授業にしたいと考えている。
2 教材観
本校では、本年度総合的な学習のあり方について研修を始めた。本年度の重点は、総合的な学習の課題解決をしていく「学習の方法」について焦点が当てられている。3学年は下記に示す通り、国際理解を第一のテーマとした。奈良・京都修学旅行において班別見学学習においてテーマを設定し探求していく経験の中で課題解決能力の育成を図るものである。これに続く第二のテーマは地域を素材として、比較的自由な分野で探求する学習を計画している。
本時では、第一のテーマ解決のために、3月に接続されたインターネットより情報を得る基礎的な授業を展開した。同時に、昨今問題となっているインターネットの陰の部分(情報モラル:ネチケット)についても触れられる授業でありたいと考えている。
したがって、本時では、第二のテーマとも関連させて身近な吉井町のホームページを借用してインターネットの便利さを生徒に体験させたい。同時に知的所有権の学習も行い、今後生徒が一人前としてネットワーク社会に飛び出すことのできる基礎を養いたいと考える。
V 単元の目標
テーマを追求する段階において、インターネットの利用方法を学び、テーマ追求に必要な情報を引き出す操作方法を身につける。また、情報モラルについての知識の獲得を支援する。
W 評価規準(総合学習におけるインターネットの活用)
・ 自らの課題を解決するためのひとつの手段としてインターネットに関心を持ち、進んで調べようとする。(意欲)
・ 課題を調べる方法をねらいにあった方法で検索することができる。(思考)
・ コンピュータを起動して、調べたいサイトを検索することができる。(技能)
・ 調べた結果を適切に説明することができる。(表現)
・ 知的所有権、著作権、プライバシーなどの犯されやすい権利について学習し、インターネット社会の陰の部分も知り、情報を活用できる。(知識・理解)
X 指導の方法
1 指導方針
今回の授業(本時)では、次の点を挑戦のポイントとする。
(1)インターネットの光の部分をHPで体験する
入野中学校のコンピュータ室から吉井町のホームページにアクセスし、インターネット検索の便利さを体験する。
(2)インターネットの陰の部分を認識させる(情報モラル)
インターネットの利便性の陰に隠れて、知的所有権、個人のプライバシーや著作権が侵害される例が存在することを学習する。
(3)ティームティーチング
社会化担当、養護教諭とともにティームティーチングの形態で授業を行う。主にインターネット検索の支援とコンピュータの操作を協同で行う。授業に変化をもたらし、教師の得意な領域を授業の中で開拓しあい、活性化するような試みでもある。
(4)併用する形で、調べた結果をコンピュータ上に記録する(Microsoft Word)
2 校内研修との関わり
今年度の重点
学習する内容(課題)そのものよりも、学習の方法を重視し、どのような課題でも、自らの力で解決していくたくましく「生きる力」を育成していくこととした。
本年度は、3学年においては全26時間予定で、下記の3つの課題を設定し、探求していくこととした。各学年毎に、下記に示すような課題解決の練習を積むStepT、課題を自己の関心に応じて選択していくStepUを構成している。
T.国際理解(日本の文化遺産〔世界遺産〕を調べよう) 8時間 StepT
U.地域を知ろう(吉井町) 12時間 StepU
発表しよう(牛伏祭 11月5日)
V.自分を知り、自分を生かそう 6時間
3 指導計画(全8時間 StepT)
T.国際理解:日本の文化遺産を調べ、日本の文化の良さに触れよう
京都班別見学のテーマの解決を通して、課題解決の方法の体得する
@ 総合的な学習の進め方(1)
A 課題の探求の仕方(1)
B 国際理解とは、班のテーマの見つけ方(1)
C 見学コースの決定(1)
D 情報を入手する手段としてのインターネット活用の仕方(2:本時はその1)
E 奈良・京都修学旅行 5月24日から26日
F 修学旅行のまとめ(2)
G 班別に発表する(2)
Y 本時の学習指導
1 目標
吉井町のホームページを検索し、必要な情報を入手する手段を体得する。また、入手する際のネットワーク社会の基本的ルールを理解し、現在学習中の総合的な学習の課題解決に生かすことができる。
2 準備 コンピュータ室常設のもの
@コンピュータA(インターネット検索用:Microsoft InternetExplore)12台
A コンピュータB(検索結果記録用:Microsoft Word)12台
B 3.5インチ フロッピー 12(個人管理)
C 管理用ソフト(School Join)1
3 展開
教師A:篠崎 教師B:山口 教師C:戸塚
@コンピュータを起動させる。(5分)
B.C: 各コンピュータの起動状況を確かめる
A本時の学習について教師の話を聞く(A)(5分)
〇インターネットの使用方法
・インターネットエクスプロラ(12台)
・ワード(12台) を開く。
B
課題1を解決する。(20分)
●吉井町のHPにアクセスし、情報を検索する。(右画面)
〇アドレスから
〇検索エンジンから
●吉井町のHPから得られた情報を、Word上に記録する。
B,Cは入力の支援をする。
●得られた情報を発表する。(School Join で 発表画面を転送する)
C
課題2を解決する。(10分)
●
HP上に載せられた情報や写真には著作権(知的所有権)やプライバシーあることを理解する。
キーとなる画面:無断転載禁止の文字・議員の写真等
D
まとめ(以下10分)
E
時間があったら、修学旅行の下調べ(次の時間の学習)に活用する。
Fコンピュータを閉じる。
B.C: 各コンピュータの終了状況を確かめる。
予想される検索結果
◎
交通情報(時刻表)
◎
多胡碑記念館
◎
町の木・花
◎
休日当番医
◎
人口・面積・町内生徒数
◎
おもしろ科学教室